村上春樹初のアニメ映画、震災後の喪失感を描く 映画『めくらやなぎと眠る女』

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映画『めくらやなぎと眠る女』のワンシーン
映画『めくらやなぎと眠る女』監督・脚本:ピエール・フォルデス/原作:村上春樹/2024年7月26日よりユーロスペースほか全国ロードショー(©2022 Cinéma Defacto – Miyu Prodcutions – Doghouse Films – 9402-9238 Québec inc. (micro_scope – Prodcutions l’unité centrale) – An Origianl Pictures – Studio Ma – Arte France Cinéma – Auvergne-Rhône-Alpes Cinéma)

『めくらやなぎと眠る女』『ねじまき鳥と火曜日の女たち』ほか6つの村上春樹短編作品原作の初のアニメーション映画。監督は音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデス。俳優の演技を撮影した映像を基に独自の技法でアニメーション化を実現、表情や声色などの細部にリアリティーが宿った。

震災後の喪失感と転機

2011年、東日本大震災の数日後の東京。キョウコ、信用金庫勤務の片桐は被災地報道にくぎ付けになり、夜も眠れない。キョウコの夫で片桐の同僚の小村はテレビを消して早く寝るようキョウコに命ずる。キョウコは「あなたは空気の塊みたい。何もくれなかった」との置き手紙を小村に残して失踪。小村は失意の下、北海道へ行く。

一方、片桐は突如自分だけの前に現れた巨大な「かえるくん」とともに迫りくる大地震から東京を救おうとする。3人は自分の人生に起きた大地震という「転機」をきっかけに、それぞれが自分と向き合うことになる。

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