高級メロン農家育てる、銀座千疋屋の凄い仕事術 フルーツ生産者を育成するコーチの技【前編】

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銀座千疋屋のほかに、シンガポール・マリーナベイサンズホテル内のレストランにもメロンを出荷している山下剛さん (写真:筆者撮影)
日本のフルーツ産業は、安定したおいしさ・美観・供給体制の評価が「高級品」として市場を形成する、世界的にも特異な地位にある。極めたつくり手にとって、「1億円プレーヤー」になることも、決して夢ではない。
そんなフルーツ界にも、スポーツの世界と同じように、生産者(選手)を発掘し、伴走し、一流として評価されうる舞台へと引き上げるプロフェッショナルがいることはあまり知られていないだろう。老舗の高級果物専門店「銀座千疋屋」で仕入長を務める石部一保さん(51)はまさに、国内高級フルーツ界の“コーチ”とも“スカウトマン”とも呼べる存在だ。石部さんの伴走の下、一流のフルーツづくりに没頭する精鋭の生産者たちを取材した。全3回でお届けする。

銀座千疋屋に並ぶ品物を吟味

平日の毎朝5時、東京最大の中央卸売市場「大田市場」に、石部さんの姿がある。

全国から集められた果物の中から、銀座千疋屋に並ぶ品物を吟味していく。例えばメロンなら、叩いて跳ね返る音で種周りの状態、皮の厚さ、糖度や酸味のバランス、食べごろの時期を推しはかることができる。

銀座千疋屋
微妙な音の違いからメロンの質を吟味する銀座千疋屋仕入長の石部一保さん(写真:筆者撮影)

石部さんは、東京銀座の中心にあった果物店で生まれ育った。味覚が鍛えられたのはいうまでもない。どんな人がフルーツを買い求めるのか、フルーツがどんな場で生かされるのか、意識せずとも、生きたマーケットの動きと変化を肌で感じ取ってきた。

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