高級メロン農家育てる、銀座千疋屋の凄い仕事術 フルーツ生産者を育成するコーチの技【前編】

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栽培面積や労力から育てられるメロンの個数には限りがある。だが、1つずつの品質を高め、深めること、新たな顧客層を掘り起こす可能性に、限りはない。独立して4年目。山下さんは今期、年商4千万円の大台が見えてきた。

2023年の年が明けてから、両親に農園の手伝いを完全にやめてもらった。父親からの承継が完了した瞬間から、次の承継を強く意識し始めたからだ。5月には農園経営を法人化し、現在山下さん夫妻とパート従業員1人で農園を切り盛りする。

日本一、世界一のメロンを目指す

仕事をする1人の大人として、高校生の娘、中学生の息子に、どんな背中を見せられているのか、つねに意識の中にあるという。

「法人化したのは、もし子どもが継がなかったら外部の人間に継いでもらってもいいかなと思ったから」

そういいつつも、「でもやっぱり……」と話す山下さん。

「いちばん間近で見ている子どもが継ぎたくないというメロン農家なら、会社ごと潰してやろうって思っています。子どもたちにとって、魅力ある産業にできるのか? 自分に突きつけて、追い込んでいきます。メロンといえば山下って言われるくらい、日本一、世界一のメロンを目指していますから」

座安 あきの Polestar Communications社長

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ざやす あきの / Akino Zayasu

1978年生まれ、沖縄県出身。2006年沖縄タイムス入社。編集局政経部、社会部を経て09年に朝日新聞福岡本部・経済部出向。出産育休後、保育や学童、労働、障がい者雇用問題などの取材を担当。連載「『働く』を考える」が貧困ジャーナリズム大賞2017特別賞受賞。20年3月末に新聞社を退職し、現在、Polestar Communications社長、Polestar Okinawa Gateway取締役広報戦略支援室長。執筆取材活動を通じ、沖縄を介してアジア展開を目指す企業の人的ネットワークの構築や商品・ブランド開発を支援している。

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