フォルクスワーゲン中国合弁、独自PHVを開発へ 上汽VW、市場の変化に対応し「失地回復」目指す

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2022年までの中国市場では、上汽VW、一汽VW(中国第一汽車集団とVWの合弁会社)、上汽GM(上海汽車集団とアメリカのゼネラル・モーターズの合弁会社)などの外資系合弁メーカーが、メーカー別の販売台数ランキングで常に上位を争っていた。

BYDは価格性能比の高さを売り物に、販売台数を急増させている。写真は同社のベストセラーPHV「秦PLUS DM-i」(同社ウェブサイトより)

ところが2023年に入ると、中国のEV最大手の比亜迪(BYD)が急速に順位を上げ、ついに首位の座を奪取した。

VWにとって、中国はドイツ本国を上回る世界最大の市場だ。それだけに、合弁会社の競争力回復に向けたプレッシャーは大きい。上汽VWによるPHVの独自開発は、新エネルギー車分野での出遅れを挽回するための戦略の一環と見られている。

PHVの利便性を消費者が支持

PHVは搭載する電池の量が(EVに比べて)少なく、車両の販売価格を抑えられる。さらに、充電設備がなくてもガソリンを給油すれば走行できるため、電池切れの心配がない。その利便性の高さが中国の消費者に支持され、PHVの販売台数の伸び率はEVを上回っている。

中国汽車工業協会のデータによれば、2023年上半期(1~6月)のEVの販売台数は前年同期比32%増の271万9000台だった。これに対し、PHVの販売台数は102万5000台と、前年同期比91%も増加した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は7月22日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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