とってつけたような配置でないことは好感が持てるが、車外のセンサー本体が見えるので、どうしてもまず視線がそちらに行ってしまう。「ホンダe」のようにセンサーが見えないほうが、慣れるまではよさそうだ。
カラーコーディネートは、明るめのグレーを基調としたモノトーンでまとめてあって、モダンな造形に合っていた。
キャビンのスペースは、アイオニック5に近い。つまり、後席はかなり広く、身長170cmの筆者は足が楽に組めた。気になる頭上空間も、手のひらが入るぐらいは確保されている。駆動用バッテリーを収めたフロアはやや高めだが、気になるほどではない。
シートの座り心地は、前席は固め、後席は柔らかめで、助手席に後席から操作する前倒しなどがあることを考えると、ショーファードリブンも考慮に入れているのかもしれない。
パッケージングにおけるアイオニック5との大きな違いは、ハッチバックではなく独立したトランクを持つこと。よって、後席のスライドやリクライニングはない。ノーズの小さなトランクにリッドがないことも、アイオニック5との違いだ。
日本の街に“この姿”が走る日
試乗車は、右ハンドルの2モーターAWD。0-100km/h加速5.1秒を豪語するだけあって、加速はかなり勢いがある。ドライブモードはエコ/ノーマル/スポーツの3種類。パドルは回生ブレーキの調節で0〜4の5段階あり、4にすると最強で、いわゆるワンペダルドライブができる。
高速道路で試したADAS(先進運転支援システム)は、車線変更のときにはステアリングアシストをしてくれたり、ウインカーを出すとメーターにサイドの映像を出してくれたり、高度でわかりやすいうえに作動もスムーズで、満足できるレベルだった。
乗り心地はクーペだからか、アイオニック5より固め。ボディの剛性感はしっかりしているが、スピードを上げてもフラットになっていくことはなかった。245/40R20というタイヤのためもあるが、もう少しサスペンションのストローク感が欲しい。
ハンドリングはAWDであるためか、安定感を重視している印象。コーナーでアクセルを踏み込んでいくと旋回力が強まるものの、後輪駆動ベースであることは、あまり強調していないキャラクターだった。
このように、シャシーまわりにはさらなる熟成を望みたい部分もあるが、電動走行のマナーは優秀でもあることも確認できた。でも、このクルマはやはり“デザイン買い”する1台だろう。
日本で走る姿を見ることができるのはいつになるか、楽しみに待ちたいと思う。
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