ちなみに、一連のタトラはすべてバックボーンフレームのリアに空冷V型8気筒を積むという成り立ちで、設計したハンス・レドヴィンカは同様のメカニズムを好んだフェルディナント・ポルシェと親交があったというエピソードもある。
いずれにしても、好き嫌いの分かれる姿であることは間違いない。しかし、先行して発売された欧米での評価は高く、昨年のアイオニック5に続き、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」「ワールド・エレクトリック・ビークル」「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」の3冠を獲得している。
「タトラの再来」という見方も好意的に作用しているのかもしれないが、グローバルではこのような個性が高く評価されている、ということになる。
一方で前後のランプまわりには、アイオニック5に続いてピクセルデザインを多用しており、前衛的なイメージを表現している。このあたりは、アイオニックというサブブランドとしての統一感を出したのだろう。
ディテールでは、ドアミラーをデジタル式としたことと、シャークフィンタイプのアンテナをスケルトンにしたことが目を引く。先進性の表現方法が多彩であることに感心した。
ポルシェ「911ターボ」を思わせるリアスポイラーは、ダウンフォースを与えるためだろう。内部にはハイマウントストップランプが内蔵されている。
インテリアはスポーティかつエレガント
インテリアはエクステリアとは対照的に、アイオニック5と似ている部分が多い。メーターまわりはその代表で、センターまで伸びる横長のディスプレイが目の前に置かれている。
ただし、センターコンソールが高めに位置していたり、ドアトリムに水平基調ではなくオーガニックなカーブを取り入れていたり、独自の部分もある。クーペらしく、スポーティかつエレガントな造形を盛り込んでいると感じた。
センターディスプレイの下には、ディスプレイの機能を選ぶスイッチ、スタートボタン、エアコンの操作系などが並ぶ。このあたりはアイオニック5と同じだ。エアコンの操作はすべてタッチパネルとなっているが、温度調節などはダイヤルで残してくれたほうがありがたい。
もう1つ、運転席まわりで気づくのは、インパネ両端にデジタルドアミラーのモニターが置かれることだ。
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