成毛眞、超難解な「超ひも理論」を習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授に聞く<1>
橋本:そのできている物を信じられるのですね。
今度はどこかの宗教か。
仲野:実際に現象はありますから、仕方がないのです。橋本先生の超ひも理論のようにあるのかないのかわからないのではなくて、そこにあるから。
橋本:あの、それはそうですけども、まず、素粒子はもうあるんです。
仲野:それは間違いなくあるんですね。
橋本:あります。で、そのある物がなんであるのかが僕はとても不思議で、それで超ひも理論を勉強しているのです。
仲野:今日、橋本先生にお会いするので超ひも理論の本を読んで予習をしてきたんです。でも、素粒子の成り立ちを考えるためにそれがひもであると考えてその振動が――と言われたら、さっきまで物があるというてたのに、なんで振動とかいう現象やねん、と。そういう素朴な疑問出てくるんですわ。物ある言うてたやん、それがなんで振動っちゅうような状態やねん!!
橋本:ああああ。それは確かに説明してないです。不思議なところは説明してない。
仲野:それは説明できるんですか。
橋本:できますよ。だけど……。
仲野:それは素人には理解できないということですね。
橋本:うーん。
仲野:そこがね、やっぱり見下してるような気がする……。「光は粒でも波動でもある」はまあ、実験結果もそうなっているので負けといたってもええんですけど。
素粒子はやはり物ではない?
橋本:つまり素粒子とは何かということですよね。それは、“状態を見ている”としか考えられないというのが結論なんです。
仲野:物やったんちゃうん。
橋本:物じゃないんです。
仲野:じゃあなんで人間とかの物になってるんや……。わからないから、朝日カルチャーセンターまで一般の人向けの超ひも理論の講義を聞きに行ったことあるんです。そしたら、結構、人が来てるんですね。カルチャーセンターいうたら女の人が多い印象でしょう。でも、物理は圧倒的に男の人が多い。わざわざ出掛けていったのは、本を読んだときに素粒子が状態であるというのだけでなく、もうひとつわからない物があったからです。それは、オイラー数。正の数をなんか無限に足していったらマイナス12分の1になるというあれです。どう考えてもだまされてますよね。
橋本:……。すみません、それはちょっと……。あれは、足してもそのままでは負にはなりません。
仲野:そうでしょう。もうこれだけで、超ひも理論は印象悪いですよ。
仲野先生の疑念は果たして晴れるのか。
(構成:片瀬京子)
※後編は12日に公開予定です。お楽しみに!
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