「3人目のダウンタウン」、2人との絆が続いたワケ 吉本元会長・大崎洋さんと松本人志さんの関係性

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「『何で僕ら世間に評価されへんのですか』って、そのころ浜田くんが寂しそうな顔をしながら僕をにらむわけですよね。で、どこか頼って来てくれているわけですよ。『俺を頼ってくれるんや』といううれしさと『俺でいいのかな』という不安と。ひとりぼっちで何1つない中、がむしゃらに彼らの居場所を作ってこれたのは、やっぱり頼ってくれた喜びが大きかったでしょうね」(大﨑さん)

解散危機をどう回避すればいいのか

ダウンタウンとのエピソードで印象的なのは、「浜田が行方不明!」。“2丁目現象”と言われるほどダウンタウンが爆発的な人気を得たころ、浜田さんが突然いなくなってしまい、番組に穴を空けてしまいました。結局、1週間後に戻ってくるのですが、大﨑さんも周囲の人々も浜田さんを責めることなく、むしろ「一回休み」と肯定していたようです。

「当時の浜田くんは『ここはどこ? 僕は誰?』みたいなことだっただろうし、自分が自分でないような感じだったんでしょうけど、何かのきっかけで仲間や友や相方やいろいろなことを胸のあたりで思い出して戻ってきたんでしょうね。このときに限らず世間の方々も『逃げたかったら逃げて、また必ず帰ってきて』という関係性というか、それがしやすい世の中になったらいいなと思っています」(大﨑さん)

(撮影:梅谷秀司)

今いる場所がつらかったら頑張らなくていい。でも完全に逃げるのも勇気がいるから、少しの間だけ一回休んでどこかに避難する。そんな居場所を持つことが大切であり、現在以上に多忙だった大﨑さん自身も「サウナ」という一時避難場所を持つことで救われてきたそうです。

もう1つ、かつて訪れたダウンタウンのピンチは解散危機。仕事依頼が殺到する中で意見が分かれ、「けんか別れするのではないか」と感じたことが何度もあったようです。そんなとき大﨑さんは「2人を集めて話し合いをする」のではなく、「1対1でそれぞれと話をして落としどころを探る」という方法を採用しました。

「楽屋が別で、4時30分に2人がスタジオで顔を合わせたら、ニコニコ笑ってやらなきゃいけない。その前に2人を会わせてしまうと『(もうコンビは)やめや』と最悪の事態になりかねなかったので。2人は“奇跡のコンビ”だと信じていましたし、別々に話を聞いてうまく落としどころを決めることに自分の役割があると思っていました」(大﨑さん)

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