福島県産の桃で「氷結」を作るキリンの覚悟 藤沢烈と駒崎弘樹、「企業×復興」を語る<2>
藤沢:そうですね。社会にかかわることは自分たちの領域ではない、というふうに、線がスパッと引かれていました。
復興支援に関しては、企業のトップ(経営者)が決断しているケースが多いです。たとえば三菱商事さんは復興支援に100億円の寄付をされて、被災地に10人近くの体制で入っています。
先月は、郡山でワイナリーを作る支援をすると決めました。福島は果物王国として有名ですから、ワインを通じて福島に貢献したいということで。ワインをつくるのって、10年、20年かかるんですよ。つまり「それぐらい長く(被災地に)コミットするんだ」ということです。あとは、僕らがお付き合いしているキリンもすごいです。
キリンが見せた企業としての矜持と責任感
駒崎:キリンさんは、福島県産の梨を使った「氷結」というカクテルを売り出したんですよね。僕は妻の実家が福島なので、あれは本当に感激しました。福島の果物はいろいろ言われてきましたが、最近は農家の方々の努力で、安全性が確認されてきて。
藤沢:あれは本当に政府の力ではなく、福島の農家のお一人おひとりの、凄まじい努力によるものですね。
それでキリンさんは、今年は福島県産の桃で「氷結」をつくったんです。僕は30缶くらい買い占めました。(会場笑)
しかも素晴らしいのは、キリンさんはそれをちゃんと「福島県産の桃」と出して売り出しているんですよ。それって企業としてはとても覚悟がいることです。
駒崎:いや、本当にそうですよ。
藤沢:そこに、企業としての矜持と責任感を、すごく感じます。福島の方がいくら安全性を言ってもなかなか通じないところがあるので、それを企業が発信するということの、重さ。そういうところに、僕は企業としての社会的な意味があると感じます。
駒崎:株を買いたくなりますよね、本当に! 胸を打ちます。(次回に続く)
(撮影:梅谷 秀司)
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