米政府「UFO機密文書の開示」が重大課題なワケ 「政府はUFO情報を隠している」という陰謀論
アメリカ民主党のチャック・シューマー上院院内総務(ニューヨーク州選出)は、未確認飛行物体(UFO)と地球外生命体に関する政府文書の機密解除で幅広い権限を有する委員会を設置する法案を推進している。政府に対し、未確認現象について把握しているすべての情報を開示するよう義務付けようとしているのだ。
法律が成立すれば、UFOをめぐる陰謀論や、政府が極めて重要な情報を隠しているのではないかといった懸念を押し戻すことが可能となる。
異例の超党派合意
シューマー氏が年次国防法案の修正案として提出を予定しているこの法案は、民主党と共和党の双方から支持を得ており、共和党ではマイク・ラウンズ上院議員(サウスダコタ州選出)やマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)などが賛同。ルビオ氏についていえば、同氏がかつて推進した法案により、政府が未確認現象について一連の報告を公開する運びとなった経緯がある。
法案は下院でも支持される可能性が高い。下院でまとめている年次国防法案には12日、シューマー氏が推進しているものよりは限定的なものの、ペンタゴン(国防総省)に対し未確認航空現象に関する文書を公開するよう求める文言が盛り込まれた(アメリカ政府は、謎めいた目撃物に対しUFOの呼称を使わないことで一致しているが、政府の部門や機関の間では、それを航空現象とするか異常現象とするかで立場が分かれている)。
上院の法案では、各政府機関に対し、未確認現象についての記録を取りまとめて評価委員会に提出する期限として、300日が設定されている。