米政府「UFO機密文書の開示」が重大課題なワケ 「政府はUFO情報を隠している」という陰謀論
ジョー・バイデン大統領が指名する評価委員会の9人のメンバーは、上院での承認が必要となる。上院スタッフによると、情報開示を推し進めつつも、機微な情報の収集手段を守ることのできるメンバーを選ぶためだという。
軍の「UFO映像」で高まるUFO熱
UFOに対しては常に強い関心が寄せられてきたが、軍のセンサーが記録した未確認現象の映像が複数公開され、海軍のパイロットが訓練中に遭遇した説明困難な事象について証言を行って以降、関心は一段と盛り上がっている。
ペンタゴンが公開した映像の一部には、光のいたずらやドローンだという説明がつけられているものの、それ以外は依然として説明がついておらず、かなりの臆測を呼んでいる。ペンタゴンや情報機関は、議会からの圧力を受けて、説明のつかない事象について数百件の報告を収集した。
当局者によると、説明がついていない事象の多くは、空中のゴミ、中国の偵察活動、あるいは気象観測用の気球がコースを外れたものであるという。アメリカの当局者は、これらの映像やその他の収集資料の中に、地球外生命体の来訪の証拠になると思われるものは存在しないと繰り返し述べている。
政府のアーカイブに、どれほどの未公開文書が眠っているのかを知るのは難しい。各情報機関は、持っている資料はすべて公開したと繰り返してきた。各情報機関で情報公開請求の対応を担当する部門には、UFOに関する資料の開示請求が絶えず大量に届くが、こうした開示請求に対しては「アーカイブは公開済み」という返答がなされるだけだ。
それでも、より最近の調査、とりわけペンタゴンが主導した調査についてはまだ内容が公開されていないほか、一部の政府機関が記録の提出を躊躇していることから民主党と共和党の両方の議員がいら立っていると、シューマー氏のスタッフは語った。
例えば、ペンタゴンではさまざまなタスクフォースによって、海軍のパイロットなどが撮影した未公開映像について広範な調査が行われてきた。そうした調査結果の一部は公開されており、そこには少し前にアメリカ航空宇宙局(NASA)で行われた会議で公開されたものもある。