Spotifyに「月刊ムー」「美術手帖」が参入の狙い

若年層などファン開拓へ、旅行系の「TRANSIT」も

誌面ではビジュアルとテキストで表現してきた各媒体の世界観を、音声だけで伝える新たな取り組みだ(記者撮影)

世界最大の音楽ストリーミングサービス・Spotifyに日本の雑誌カルチャーが参戦する――。

Spotifyは2020年12月、人気雑誌のコンテンツをポッドキャスト(音声コンテンツ配信)で届ける新プログラム「#聴くマガジン」を開始した。各雑誌の編集者などがパーソナリティーとなり、雑誌に関連したテーマについて、ゲストを交えながらトークを繰り広げる。

12月に参加したのは3媒体。1948年創刊の美術専門誌『美術手帖』(美術出版社)、1979年創刊のオカルト誌『月刊ムー』(ワン・パブリッシング)、そして2008年創刊のトラベルカルチャーマガジン『TRANSIT』(ユーフォリアファクトリー)だ。いずれも熱心なファンを持つ雑誌で、紙以外での展開を模索していたところ、Spotifyの提案を受けて参加を決めたという。

音声から若年層などファンの拡大へ

#聴くマガジンは、専門性とバラエティーを備えた雑誌が音声コンテンツを始めたら面白いのでは、というアイデアからスタート。各媒体の担当者が口をそろえるのは、「既存の読者に楽しんでもらうことはもちろん、若い世代や雑誌名を知らない層など、新たなファンにもアピールしていきたい」という狙いだ。雑誌以外に、新たなユーザーとの接点を持てる点がメリットになっているようだ。

また、Spotifyと雑誌の相性の良さも聞かれる。Spotifyは他のストリーミングサービスよりも熱心な音楽ファンが多いことが特徴とされる。芸術分野に関心のあるユーザーも多いとみられ、ポッドキャストを入り口に、雑誌のファンになるケースも期待される。

ただ、雑誌は文章だけでなく写真や図表、デザインなど、紙の見開きのビジュアルを武器としている媒体で、音声でこうした点を再現するのは難しいようにも思われる。アートや旅、超常現象といったそれぞれの雑誌のコンテンツを、どのように音声で表現していくのだろうか。

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