地方の賃貸「豪華リフォーム」で1年空室の理由 入居者ニーズは最新設備よりも1万円安い家賃

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一方で家賃を5000円下げた場合、1年間で6万円収入が下がることになります。継続して住み続けた場合、2年間だと12万円も収入が下がることになってしまいます。

フリーレントを設定すれば物件の競争率も上がるので、もしなかなか入居者が決まらない、という場合は家賃を下げるよりもフリーレントで対応したほうが、結果的にメリットが多いと考えられます。

すべてを費用対効果で考える!

私がお勧めしている「築古区分マンション投資」は、簡単に言うと地方にある築30年程度の築古マンションのうち、区分の1部屋を購入しリフォームして貸し出すというものです。

投資する物件は、基本的には「自分が借りたい部屋」を選ぶのがいいと思います。実際に自分が住むわけではありませんが、物件がある場所や部屋の中を見て「この部屋なら住んでみたいな」という直感を大事にしています。

賃貸物件を探す人の立場で現地調査をして、この立地のこの部屋なら借りたいと思えるものを選び、自分の好みではなく最低限住むことができる程度にリフォームすると、コストを抑えてうまく利益につなげることができます。

さらに、前回の記事「儲かる大家『平野が狭いエリア』で物件を探す理由」でお話ししたように、地方ならではの賃貸需要を抑えれば、入居付けがよくなり、リスクを抑えて安定した収入を手にすることができると思っています。

築古区分マンション投資で成功するために押さえておきたいポイントは、他にもいろいろとありますが、まず意識していただきたいのは、すべてを費用対効果で考えることです。できるだけ自分の労力や時間を使わず、効率的に投資を行うということです。

もちろん、エリアや物件をリサーチして投資判断をすることは他人に任せず自分で決める必要がありますが、物件を購入したあとは、リフォームや客付け、物件管理などは専門の業者に思い切って任せてください。

費用対効果を第一に考えて、利益を得ることと、自分の自由な時間を確保することを両立できることが、築古区分マンションの本当のメリットだと私は考えています。

坂本 慎太郎 こころトレード研究所所長

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さかもと しんたろう / Shintaro Sakamoto

こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。大学卒業後、メーカー勤務を経て、日系の証券会社でディーラーとして活躍。その後、大手生命保険会社に転職し、株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを経験。現在は、個人投資家として、日本株を中心に、短期は「板読み」に、中長期は「ファンダメンタルズ」に重きを置いた運用を行う。同時に、為替、商品先物、不動産などの投資も手がける。また、株式評論家としてラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演、講演やセミナーなどを行い、人気を博している。著書に、『朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術』(東洋経済新報社)などがある。

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