地方の賃貸「豪華リフォーム」で1年空室の理由 入居者ニーズは最新設備よりも1万円安い家賃

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この地方においてのリフォーム需要を知るきっかけになった例があるので紹介しましょう。

同じマンションの中で、エレベーターの無い4階と5階に同じ間取りの部屋を1つずつ購入しました。私は自分の物件でテストしてみようと思い、次のようなリフォームを施したのです。

まずは5階の物件です。キッチンを総入れ替えして、いまどきのオープンキッチンと食洗機を設置しました。間取りも少し手を入れて、まるで新築の分譲マンションのようなキラキラしたイメージの部屋にしたのです。

出来上がりを見て、これは絶対誰もが気に入るだろう、と思いました。

一方の4階の物件は、最低限のリフォームにとどめ、新しい設備もできるだけリーズナブルなものを選んで全体のコストを抑えました。その代わりに、5階の物件と比べて家賃を1万円安く設定したのです。

そして、ほぼ同じタイミングでこの2つの物件の入居者を募集しました。

すると意外にも、すぐに入居者が決まったのは4階の物件のほうだったのです。5階の豪華な設備の部屋は、なかなか入居者が入らず、結局決まるまで1年もかかってしまいました。もちろんその間家賃収入はありません。

(出所:『ずるい不動産投資』)

4階の物件のほうがリフォームのコストが抑えられた上に、すぐに入居者が決まったので、トータルではこちらのほうが利益率が高いという結果になったのです。

私はこの結果を教訓として、以後購入した物件のリフォームは最低限住めるレベルのものに抑えています。

家賃を下げるよりフリーレントのほうがいい

ちなみに、なかなか入居者が決まらないときは、仲介業者から「家賃を下げましょう」と提案されることがよくあります。

確かに家賃を下げると入居者が決まりやすくはなるのですが、いったん下げた家賃はなかなか上げることができません。

その場合にお勧めするのが「フリーレント」です。フリーレントとは一定期間の家賃が無料になる契約形態のことです。

例えば、フリーレント1か月という設定の物件は、最初の1か月は家賃が無料になり、2か月目から通常の家賃が発生します。

家賃が5万円の場合、1か月フリーレントでしたら最初の1か月の5万円の収入が入ってきませんが、2か月目からはきちんと入ってきます。

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事