50万円大家「平野が狭いエリア」で物件を探す理由 工場地帯の賃貸マンションは一戸建てが競合に

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さらに、TSMCの進出により、関連企業や物流関連の会社が熊本に進出しているので、住居の需要はさらに増加していくと考えられます。

とはいっても、このように規模が大きい開発に関して、先回りして物件を購入したりするのはなかなか難しいかと思います。

あくまでもこの「地価公示の変動率」がヒントと言ったのは、このようにして地価が上昇するという例を理解して、他のエリアで似たような情報を探すことができると考えているからです。

例えば、そのエリアに大きなショッピングモールや商業施設が進出するといった場合や、TSMCのような世界的企業ではなくても、新しい工場が建設される、といった小さい規模の開発や再開発でも周辺の地価は上がりますし、地価に反映されない場合でも、そのエリアに人が集まる、住人が増えそうだということであれば、その地域に物件を所有しても入居者探しに困らない、ということにつながるのです。

このような地元の開発にかかわる情報などは、そのエリアに住んでいる人でないとなかなか入手することができません。ですので、私がお勧めしているのが、前回の記事「『地方出身者にお勧め!』不動産投資のマル秘テク」でお話ししたように、「自分の地元で物件を探す」というやり方なのです。

自分の地元でしたら、ある程度土地勘もありますし、親や親戚、また近所の人や同級生、友達などからこのような情報を得やすいでしょう。

工業地帯では地形による賃貸需要も考える

先ほどの熊本県菊陽町のように、工場が多く建っていて、そこで働いている人が多いエリアであれば、住居の需要が安定して継続すると考えることができます。

ただ、これは半分正解で半分間違っています。

中には、賃貸需要がそれほどでもない工業地帯があるのです。

それはなぜでしょうか? ちょっと考えてみましょう。

地方は都心部と状況が異なっており、土地があれば賃貸で物件を借りるよりも一戸建てを建ててしまう、という傾向があるからです。

つまり、工場の周辺に平野が広がっているような地域では、働いている人たちはわざわざ賃貸で部屋を借りずに家を建ててしまうので、賃貸需要が低いということがあるのです。

たとえば、4大工業地帯のうち、北九州の工業エリアはどんな特徴があるでしょうか?

Googleマップなどを見て、このあたりの地形を見て考えて仮説を立ててみてください。

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