無宗教の日本人が「スピリチュアル」にはまる謎 2000年以降の江原啓之ブームは何だったのか

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――癒しやスピリチュアル、ヒーリングなどさまざまな言葉が使われているのはなぜでしょうか。

ネット上では「スピリチュアル」が虚偽や詐欺、信じやすさというイメージで批判されるため、当事者がスピリチュアルという言葉を使うのを避けています。特に彼らは宗教と同一視されることを恐れます。

耳に心地よいスローガン的な言葉が登場しても、世間に流布すると「宗教」と同様ではないかとたたかれて廃れていき、別の言葉に取って代わられる。その結果、さまざまなニュアンスの異なる言葉が乱立することになります。

政党と関わりたくないという人が多い

———陰謀論や反ワクチンに関わる主張をする人たち、例えば参政党の支持者と、スピリチュアル信奉者は重なりますか。

私の調査では、一般の人に比べれば、スピリチュアリティに関心のある層で陰謀論に引きつけられる人が多いのはたしかです。ただ、参政党などの支持者は、スピリチュアリティに関心がある人の中でもごく一部のマイノリティです。

スピリチュアリティ関心層は個人主義的で、組織的運動を嫌います。参政党は食と健康と環境を守るオーガニック政党という面だけでなく、天皇中心の排外主義という右派の面が強いです。

スピリチュアリティには反原発など左派的な面もあり、概して無党派層が多い。陰謀論を唱えるカルトや参政党などに関わりたくないという人は多いと思います。

井艸 恵美 東洋経済 記者

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いぐさ えみ / Emi Igusa

群馬県生まれ。上智大学大学院文学研究科修了。実用ムック編集などを経て、2018年に東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部を経て2020年から調査報道部記者。

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