「生成AI」登場でキャリアに過去最大級の好機到来 「世界にリセットがかかった」【澤円×木内翔大】
澤:これと同じで、AIを主語にしてものを考えると、おかしなことになってしまうのです。
私もよく「生成AIって何ができるんですか?」と聞かれることがあるのですが、「いろいろできます」としか答えようがない。
まず考えてほしいことは、自分たちがやりたいこと・実現したいことは何か。それがあって、じゃあAIをどう使うとよいのかという話ができる。
流行りものを使うことそれ自体が目的になってしまうから、このような漠然とした質問になってしまうのでしょう。
そして、エンジニアをはじめビジネスパーソンの皆さんが生成AIの活用を自分ごととしてリアルに考えてみるためには、まずは生成AIについて知ることが大切。
サービスを使ってみたり、APIを使って何か自分で作ってみたり。「こんなことできないかな」とイメージしながら、試しに触ってみるといいと思います。
今仕事で何か困っていることがあれば、そのまま『ChatGPT』に問いを投げてみるのはどうでしょうか。答えそのものは出てこなくても、未知の事例や思わぬ掛け合わせを提案してくるかもしれない。
そういうところから、自分なりのいい活用方法を考えていくといいと思います。
どんどん生成AIを使って、新しい可能性を探ってほしい
木内:そうですね。エンジニアの皆さんにはぜひ、どんどん生成AIを使ってみて、新しい可能性を探ってみてほしいですね。
Twitter等のSNSを見ていると、「こんな使い方があるのか」と驚かされるような方法を実践している人もいますし、生成AIを使うことで仕事効率をかなり上げたというエンジニアの方も増えています。
私も新規企画のためのアイデア出しをするときなどに『ChatGPT』を活用していますが、リサーチをまとめるのもあっという間。
コーディングもAPIリファレンスをいちいち参照する必要がないので、体感として3倍くらい速くなりました。
これまでなら誰かに頼んでいた作業も、人を介さなくてすむようになると、リードタイムが一気に縮まるので、圧倒的に効率化できると感じます。
澤:検索は本当に楽になりましたよね。従来のサーチエンジンは、日本語の文節の理解度が低くて苦労しましたが、劇的に速くなりました。
プレゼンテーション用の原稿作成で、一般的な内容をまとめるときなどは『ChatGPT』に聞いて要約してもらえば、かなり楽。
これまでは原稿を書いて、英語に翻訳して、校正をかけてと、複数のツールを使い分けていましたが、『ChatGPT』に丸投げすれば、ある程度のものができてしまう。
もちろん、正しい答えばかりではないので情報を精査する必要はありますが、使わない手はないと思いますね。