台湾有事シミュレーションに見る日本のジレンマ 中国によるサイバー攻撃に、日本はどう対応?
河野克俊氏(元統合幕僚長):小野寺氏の判断も、それは合理的、妥当だと思う。ただ、さっきのシナリオだが、このシナリオどおりに行けば、やっぱりこの先島諸島で「海底ケーブルの切断」という物理的行為が起きている。海底ケーブルの切断という、このシナリオ通り行けば、物理的な段階に移ったので、防衛省から、やはりこれは武力攻撃、少なくとも「武力攻撃予測事態」までは出してもらいたいという要求が出るのも私は分かる気がする。
アクティブ・サイバーディフェンス
橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):サイバーの話は最近出てきた話でまだきちんと議論されていない。「アクティブ・サイバーディフェンス」。これすら、まだやるかどうかということの議論中だが、あの先ほどあのサイバーでの反撃ができる反撃ができると言われたが、相手方からのサイバー攻撃に対して、サイバー攻撃自体を抑えるところまでがディフェンスだと思うが、反撃ということになれば、こちらが積極的にサイバーを使って、相手のインフラとかを、ある意味破壊しに行くというようなことも、これは「アクティブ・サイバーディフェンス」の中に入ってくるのか?それは「アクティブ・サイバーオフェンス」になると思うが、これあの今、「アクティブ・サイバーディフェンス」の話ばっかりでやられてきて、相手にサイバー攻撃をやられてこっちがまあ危ない状況になってくると、食い止める話でこうなっているが、積極的にサイバーで相手方のインフラなど、そういうところを“やられたらやり返す”というような形で、サイバーで攻撃して行くことも考えていかなきゃいけないのでは。
小野寺五典氏(自民党安全保障調査会長、元防衛相):例えば、今回、防衛三文書変えさせてもらったが、その中に反撃能力という言葉を持った。
反撃能力は向こうから飛んでくるミサイルを食い止めるけど、またやられたら大変だから、こちらからやって相手を壊しちゃう。これが反撃能力ですね。これから国会で議論しますが、私どもこの防衛文書の中で示した「アクティブ・サイバーディフェンス」というのは、「同じように反撃する能力」ということなので、二度とサイバー攻撃ができないように、相手のサーバーをダウンさせるとか。なので、例えばインフラを攻撃してダムを破壊するとか、そういうところまではおそらく日本の反撃能力の考え方としては持たないと思う。ただ、少なくとも二度とサイバー攻撃ができないように、相手のサーバーをダウンさせる。相手の中のいわばサイバーの通信網を遮断するとかはやっていいのだと思う。