中国のリスクは「破壊」と「創造」の空白期 エコノミストの肖敏捷氏に聞く

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ただし、これはあくまでも供給サイドの話にすぎない。進出先、つまり需要側から見れば果たして中国の資金や技術に対してどれくらいの需要があるのかを冷静に考える必要がある。また、内政事情など様々な困難を抱えているこの地域でのビジネス展開について、リスクコントロールができるのか、試練はこれからだろう。

いうまでもなく、国際機関を運営する経験がほとんどない中国にとっては、想定以上の国や地域が参加するAIIBをどう運営するのか、経済効果はともかく、国際秩序などいろいろ勉強する良い機会となるのは確かであろう。

楽観でも悲観でもなく、静観

――日本企業が最近は、あまり中国進出に積極的ではありません。

転換期に差し掛かっている中国のビジネス環境や政治情勢の不透明性を懸念している経営者は依然少なくないようだ。評論家やエコノミストが何を言おうが、ビジネス環境の変化にもっとも敏感なのは、やはり第一線で戦っている企業の経営者であろう。だとすると、楽観でもなく、悲観でもなく、当分、静観したほうがいいかもしれない。

ここに来て、日中関係が改善の兆しを見せ始めるに加え、来日中国人観光客の急増や中国株ブームの拡大など、明るい材料が徐々に増えていることから、現場では中国市場に対して関心が高まりつつあるのが実感だ。

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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