【爪の水虫】10人に1人が感染、爪切りの「NG行為」 塗り薬より飲み薬で内側から効かせるのが有効

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福田医師への取材を基に東洋経済作成

最終的には、爪の機能が損なわれたり、整容面で支障をきたしたりする。例えば次のような問題が生じやすい。

■爪が厚くなり、切りにくい
■靴が履きにくい、履くと圧迫されて足の指が痛む
■踏み出したときのバランスがうまく取れず、歩きにくい。高齢者では転倒、骨折のリスクになる
■見た目が気になって、つま先が見えるサンダルが履けない

このほか、足の爪より頻度は低いが、手に爪水虫ができた場合は、名刺交換やスマートフォン決済などで手を出しにくいといった問題も生じる。

最大の問題は、爪が水虫菌の「貯留庫」になっている点だ。

エサが多く、適度な湿度と温度がある足の爪は、水虫菌にとっては最高の環境ともいえる。したがって治りにくく、治っても再発を繰り返しやすい。そのうえ、ポロポロと落ちた爪の粉やかけらには水虫菌が多く含まれていて、それらが周辺にばらまかれることで、他人に感染させてしまう。

爪水虫治療は「皮膚科」が原則

爪水虫の治療は、皮膚科で行う。見た目が似ている病気があり、見分けるには、濁った爪を医師がわずかに削り取り、顕微鏡で観察する検査など、専門的な技量が必要だからだ。

一般的な水虫は市販の治療薬(塗り薬)で対処できるが、爪水虫はそれだけでは「治らない」のも理由の1つ。逆に「塗っているから安心」と思っていたら、どんどん病状が進んでしまうといったことも危惧される。

爪水虫の治療では、水虫菌の発育を抑え、殺菌力のある抗真菌薬を用いる。2種類の塗り薬と、3種類の飲み薬が医療用医薬品として使用されている。この中から、爪の状態や患者の年齢、基礎疾患、患者の意向などに応じて選択されている。爪の濁りがなくなって、再び顕微鏡検査で観察しても水虫菌がいない「完治」がゴールだ。

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