正規で働く女性の「生涯未婚率」男女逆転の衝撃 女性は年収が上がるほど未婚率が高まる

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勘違いしてはいけないのは、男性の婚歴ありの独身率が低いからといって、男性が離婚をしないわけではありません。離婚率は基本男女同率です。ただし、離婚男性の場合は、女性に比べて再婚率が高く、たとえ30代で1回離婚しても45歳時点では再婚して独身ではなくなっている可能性が高いからです。

女性の場合にしても、この職業についているから離婚しやすいということではなく、離婚をきっかけに経済的自立のために新たに正規雇用での就職をすることになったケースもあります。

いずれにしても、正規雇用だけに限ってみた場合は、その未婚率も離婚などによる独身率も女性のほうが男性より高いという事実があります。

そもそも、結婚と個人の経済力との間には強い相関がありますが、それが男女では真逆の傾向になります。単純に、年収別の未婚率でみても、男性は年収が低いほど未婚率が高まりますが、女性の場合はまったく逆で、年収が高くなるほど未婚率が高まるというXの字を描きます。

そこには意図しないジレンマも発生します。結婚は経済生活である以上、相手の経済力を重視するのは当然のことですが、自分より年収が高いか、せめて自分と同等の収入のある男性を探そうとする経済力上方婚志向になるのも仕方のない話です。

が、それを突き詰めると、自分で稼げば稼ぐほど相手の選択肢が少なくなり、結果「婚活しても(望む経済力のある)相手がいない」という状況になりがちです。最終的に、男性は「金がないから結婚できない」といい、女性は「自分より稼ぐ相手がいないから結婚できない」となっていきます。

当然、お金だけの問題ではありません。2021年出生動向基本調査では、独身が思う「独身生活の利点」について聞いていますが、「独身のほうが自由だ」と考えるのは男性のほうが多いと考えがちですが、実はそうでもありません。男女で比較すると、「独身の利点は行動や生き方が自由」と回答する割合は、男性71%に対して女性は79%と8ポイントも女性のほうが高いのです。

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