「生成AIが仕事奪う」怖がる人に教えたい生存策6つ 変化する時代に求められる人間の「価値」とは?
画像生成AIがアイドルやファッションモデルを生成し、音楽生成AIがBGMを無限に作曲演奏し、言語生成AIが小説や詩を書く時代になると、それらをどのような意味を込めて創造したのかというストーリーが重要になってくると思います。
人々は、アイドルの美しさのみに共感する訳ではありません。生い立ちや人生経験含めて全人格的な存在に自分を重ねたり共感したりするのです。機械が無限にさまざまな価値を生み出す社会においては、一人ひとりの自己が生を享けた意味、その自己と向き合って自分の意識から生まれたオリジナルの表現や自己実現のストーリーが、より重要になってくるのです。
そうした意味では、今後、世界に自分の存在そのものを懸けた、新しい表現形式を提示するアーティストが増えてくると思います。
写真技術が登場したときも画家は生き残った
19世紀、写真技術が登場したときも画家の仕事がなくなるといった騒ぎがありましたが、画家は印象派やモダンアートなど、描写の正確性よりも人々の美的感覚やコンセプトに直接訴える作風に変化して生き残りました(写真技術も必要であれば製作過程に活用しました)。
同様に、自分の意識の中のインスピレーションから、これまで人類が見たこともない新しい美や音色を(時に画像や音楽のAIも活用して)生み出すアーティストの役割は今後ますます大きくなっていくでしょう。
また、AIが既存のビジネスモデルの業務改善を行っていく中、社会課題を捉え「世界をこう変えたい」と強く願う新規事業開発や起業により大きな価値が生まれてくると思います。
スティーブ・ジョブズや松下幸之助といった稀代の起業家は、自分と世界が一体になる坐禅による瞑想体験を大切にしていました。自分が世界を変える事業をゼロから立ち上げるという起業や新規事業開発は人間にしかできない行為として今後重要になってきます。
起業や芸術活動は、自分の意識の中の深い部分にある衝動によって、ゼロからイチを生み出す創造的行為です。
機械が知的生産価値を生み出すようになったときに人間に残されるのは、人間の精神や心を対象とした領域です。メンタリング、カウンセリング、対話のファシリテーター、宗教における法話――人間の意識のあり様や悩みに寄り添う行為を代わりに行うことは、機械には困難です。
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