自民党の松川るい氏「スパイ防止法は必要」と強調 立憲民主・玄葉氏「積極的サイバー防御」に前向き
松山キャスター:7月1日、中国で改正反スパイ法が施行された。専門家が指摘するところでは、海外旅行などで中国に行く人はスマートフォンのSNSのアプリを削除したほうがいいとか、山を登るのが好きな人が等高線の書かれている地図を持って入国すると拘束される原因になる可能性があるという。中国への渡航での注意点について。
中国“スパイ摘発”強化…習政権の狙いは
松川氏:日本人であれば特に問題ないと思われる行為がスパイ行為として摘発されることがありえるので、非常に注意してもらわないといけない。外務省海外安全ホームページの中国の項目では、反スパイ法への注意が呼びかけられているが、わかりにくい。今回の改正を受けて、港(での撮影)は危ないとか、古書(の購入)も危ないとか、スマホのアプリも危ないとか、もっと具体的に日本政府も明らかにする必要がある。
何より中国側がこれまでもまったくあいまいな形で摘発したり、拘束したりしてきたということがあるので、何がだめなのか、何がレッドラインなのかについてもっと詳細なマニュアルなり、説明書なりを出さないと安心してビジネスや観光で中国に行けず、かなり抑制的に対応せざるを得なくなる。
松山キャスター:中国国内には多くの日本人駐在員もいる。今回の改正反スパイ法では、中国国民にはスパイ行為を見つけたら、通報する義務があることも盛り込まれている。習近平国家主席の思惑をどう見るか。
玄葉氏:中国経済の曲がり角だ。低迷し始めている。当然、これだけ統制色を強めると、旅行者も少なくなるし、外資が引き上げるという話も出てくる可能性がある。それにも関わらず、こうした規制を強め、統制を強めるのは、それだけ不安なのではないか。
何が不安なのか。和平演変、つまり西側は平和的な手段で共産党の統治を終わらせようとしているという考え方が歴史的に、伝統的に中国にはある。そういう疑念が常にあるのがひとつ。もう一つは正統性への不安だ。我々の社会は選挙などで統治の正統性があるが、中国共産党にはない。常に統治の正統性に対する不安が付き纏うので、どうしても規制、統制を強めたくなるのではないか。
橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):これ(日本人拘束)に対する対抗策は、いくら中国に申し入れをしても聞く耳持たずだから、やられたらやり返すというものを持つしかない。日本でもスパイ防止法、反スパイ法というものを持って、中国の人に対しても日本に来て何かあったら拘束するぞというぐらいのものを持たないと、中国側にも緊張感がないと思う。日本はなめられっぱなしだ。
日本人は中国で拘束されて、それを取り戻そうとすれば、こちら側でも中国人を拘束して交渉するということが国際社会の常識なのではないか。