自民党の松川るい氏「スパイ防止法は必要」と強調 立憲民主・玄葉氏「積極的サイバー防御」に前向き

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以下、番組での主なやりとり。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):ワグネルの反乱以降、ベラルーシのルカシェンコ大統領が存在感を強めている。反乱収束後、「ワグネルがプリゴジン氏に合流するなら基地を提供する」と発言。ロシアがベラルーシに配備している核兵器については「我々の兵器だ。我々が使う」と、プーチン大統領の意向に反する発言をしている。ベラルーシの隣国リトアニアやポーランドの首脳からは反発の声が上がっている。

ベラルーシ“核使用”めぐりロシアと矛盾

松川るい氏(自民党外交部会長代理):私は、今回のプリゴジン氏の乱は非常に大きな始まりのひとつになる可能性があると思っている。ルカシェンコ大統領の発言も、いままで彼がプーチン大統領にこういう態度を取ったことはなかった。いつも「下」というか、部下ではないが、ジュニアという立場だった。プーチン氏の政治力が非常に低下していることを示したし、威信が少し低下している。

「ポストプーチン」や、この戦争をどううまく終戦という形にもっていくかという議論につながっていく。実際もうそういう議論が起き始めている。そういう点からも、7月11日から始まるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議は、注目しなければいけない。ルカシェンコ大統領が今回仲介役をして、プーチン氏に貸しを作った。そして核を「自分が使う」と言っていることは、核拡散の観点から非常に問題があるが、実際には多分物理的にできない。そんな簡単にできることではないのに、そう言っているのは、プーチン政権などに対して自分の地位を上げるための発言だと思う。

ルカシェンコ氏はもともとこういう大仰なもの言いをする人物だ。ワグネルを受け入れたが、ベラルーシの国軍に入るわけでは必ずしもない。ただ、そのステータスによっては非常に彼にとっての有効なカードになっていくだろう。

(画像:FNNプライムオンライン)

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):ロシアがベラルーシに配備した戦術核について、ルカシェンコ大統領がロシアの管理下ではなく、自国が必要だと判断すれば、使用を辞さない姿勢を示した。核不拡散体制に重要な影響を与える。

玄葉光一郎氏(立憲民主党 元外相):まったくそのとおりだ。ベラルーシの核はいま一番の危機だと言っていい。「核は我々の兵器。我々が使える」というのは大変大きい発言だ。変数もアクターも増えるから、核拡散の危機だと言って間違いない。これはプーチン大統領にとっても誤算だった。NPT条約の重大なルール違反だ。

戦術核をベラルーシに配備した時に、あるいは、配備するという決定をした時にプーチン大統領は巧妙にも「NATOの核共有と何が違うんだ」と発言した。つまりNATOの核共有と、ロシアのベラルーシへの核配備は何が違うのかと。ロシアの管理下、ロシアの所有権の下での戦術核の移動であれば実は変わらない。NPT条約上も違反にならない。しかし、ルカシェンコ氏、ベラルーシが所有権を主張し、使用権も主張するとなると話はまったく別だ。重大なルール違反になる。危険性も増し、世界全体で止めなければいけない。

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