「ファイナルファンタジー」が直面する大問題 世界的RPGはかつての輝きを取り戻せるか

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『FF16』からは、プレイヤーがコントロールできるのは1人のキャラクターだけになった。これは、『ウィッチャー』や『ゴッド・オブ・ウォー』といった人気RPGの構造を取り入れたものだ。

さらに、『ゲーム・オブ・スローンズ』に匹敵するようなストーリーテリングを目指し、生々しい暴力や性的な表現が盛り込まれたため、シリーズで初めて「17歳以上向け」のレーティングとなった。

スクウェア・エニックスによると、本作でとくにスポットライトが当てられるのは、自身の王国を破壊され、ある悲劇から復讐者となったクライヴ・ロズフィールドという王子の物語だ。プレイヤーはクライヴの少年期から壮年期までのストーリーを追体験することで、その動機や彼が最終的に遂げることになる変容を知る。

前作がシリーズに残した汚点

「原点回帰してストーリーにフォーカスを当て、『FF15』で足りなかったものを埋め合わせることで、FFシリーズへの信頼を回復したかった」。『FF16』のプロデューサー、吉田直樹は先日、リモートで行った取材で通訳を介してそう述べた。

『FF15』はスクウェア・エニックスに恥ずかしい汚点を残した。ストーリーが混乱を招くものだったからだ。アニメの派生作品に情報を分散させる決断が一因となり、ストーリーのカギとなる筋立ての説明がないままとなっていた。重要なキャラクターの背景を掘り下げるダウンロードコンテンツもいくつか企画されたが、いずれも公開には至らなかった。

だが、あらためてストーリーの中身にフォーカスを当てた『FF16』がゲーマーに響くかどうかは、蓋を開けてみなければわからない。

昔を懐かしむオールドファンに配慮しすぎれば、『FF』は現在のゲームのトレンドから乖離しているというイメージができあがってしまう危険がある。反対に、新たなオーディエンスに配慮しすぎれば、シリーズの原点を見失っているという批判を招くおそれがある。

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