駅のない南アルプス市が東京から人を呼び込む訳 子育て世帯を魅了する支援策、コストコも進出

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中央道双葉JCTと中部横断道白根ICの中間あたりに位置する野牛島地区に、新拠点を構えるのはコーセーだ。同社は中部横断道開通前の2019年に同市に南アルプス工場(仮称)を建設するとのリリースを公表している。敷地面積は約11万平方メートルで投資額は150億~250億円。その後コロナ禍で稼働予定が延期されてきたが、改めてコーセーに確認すると「稼働は2025年以降になります」とのこと。

南アルプス市を新たな生産拠点建設地に選んだのは、清冽な水と豊かな自然環境に加え、中部横断道開通による交通アクセスの向上もあった。

「当社は埼玉、群馬にも工場があり、中部横断道の開通で南アルプス工場との物流ネットワークが広がります」(コーセー広報担当者)

コーセーも南アルプス市に進出予定(筆者撮影)

再開発に名乗りを上げたコストコ

大きな動きはもうひとつある。南アルプスICに隣接する約12ヘクタールの広大な敷地にコストコが進出を決めたのだ。この土地はもともと第3セクターが運営する「南アルプス完熟農園」(2016年に事業停止)の跡地。2021年に「南アルプスIC新産業拠点整備事業用地」に参入する事業者の公募を開始し、山梨県内の企業が出資した株式会社ヒカレヤマナシとコストコホールセールジャパンの2社を選定した。

ヒカレヤマナシは「山と暮らす街」をコンセプトにした地域交流エリアを開発運営する企業で、雑貨店や飲食店などを出店する。2024年夏の開業予定だという。

コストコは山梨県初出店となる。こちらは2024年11月に開業予定で、売り場面積は1万5000平方メートル、850台分の駐車場やガソリンスタンドが併設される。8月から造成工事が始まると報じられている。

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