緊急時の「議員任期延長」と「参院緊急集会」の是非 橋下氏、衆院議員の任期延長論は「厚かましい」
緊急事態には、衆院議員の任期延長の必要との議論
自民党の新藤義孝政調会長代行は、憲法で規定された参議院の緊急集会は一時的・限定的な制度で、選挙ができないほどの緊急事態には対応できず、二院制を機能させるためにも衆院議員の任期延長が必要だとの立場から主張を展開した。「日本国憲法には選挙が実施できなくなってしまうような緊急事態、いわゆる有事という概念がない。そういう事態に限って議員任期を延長する。二院制をできる限り維持することが必要だ」と強調した。
一方、立憲民主党の長妻昭政調会長は、選挙権の停止は国民主権の侵害につながり、内閣の暴走につながる恐れがあるとして、緊急事態時に参議院の緊急集会で対応すべきだとの立場から論じた。「(与党などが主張する)憲法改正をすると、恣意(しい)的に議員の任期を延長したり、国が暴走したりする危険が非常に大きいと危惧している」と述べた。
番組コメンテーターの橋下徹氏(弁護士・元大阪府知事)は、「二院制の前提は選挙で選ばれた国会議員による二院制だ」として、任期が切れて選挙をふまえていない衆院議員の任期延長論は「厚かましい」と断じた。「憲法を改正し、まずはしっかり(参院の)緊急集会で対応する。その参院議員の任期が切れて、衆院議員の任期も切れて、選挙で選ばれた国会議員が誰もいなくなった状態になったときに最後どうするのかという話が出てくる」と指摘した。