スマホばっかりの人が「リセット」する簡単な方法 究極のオフライン・セラピー「サウナフルネス」とは?

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当然の話ではあるが、サウナ浴に向けての準備、すなわち「環境づくり」も見逃すべきではないだろう。だが、どのような環境が、サウナ体験を、感覚を駆使できる新鮮な成功体験へと導いてくれるのだろう? このことについて、著者は次のように述べている。

まず、サウナに入る前には、感覚器を休ませておきましょう。
自然の中へジョギングに行ったりして、あとのサウナ・セッションに備え、あらゆる感覚器をチューニングしておくのです。
サウナを温める準備や散歩も、感覚器の調整作業の一部です。前もって精神統一をすることも、充実したサウナ時間にいい効果をもたらします。
十分に感覚器と休める時間がなくても、しばし動きを止めて、目を閉じ、10を数えてみましょう。
忙しさや心配事から、抜け出すことができるのではないでしょうか?
(154ページより)

なお、満腹状態でサウナに入るのは避けるべきだそう。サウナの前は軽食程度にしておき、500ミリリットルほどの水をゆっくり飲んでおくといいようだ。

「スメルスケープ」と「サウンドスケープ」とは?

フィンランド人のサウナ体験について研究を続けている民俗学者のラウラ・セースメリによれば、サウナ体験において、とくに「スメルスケープ」(嗅覚的観点)と「サウンドスケープ」(聴覚的観点)が重要なのだそうだ。それらが、そのときの体験の印象をあとに残す要素となりうるというのがその理由である。

嗅覚や聴覚を重視するサウナ体験では、サウナ室の照度を落とすことが重要です。そこで感じる音や匂いに、より意識を集中させることができるからです。
あるいは、もし視覚も重視する場合、サウナ室内の構成要素だけでなく、窓から素敵な景色が見えるような好立地にサウナがあるかどうかもポイントになります。
(155ページより)

だとすればなおさら、サウナにおける「体験」の重要性にも納得できる。個人的には、サウナについて「ととのう」ということばを使いたがる感覚があまり好きではないのだが、とはいえ体験によって「ととのう=心身ともに満たされた状態になる」のであれば、それをどうこういう必要もないのかもしれない。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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