株価急騰!日本人が「投資しないリスク」はあるか 日経平均株価が33年ぶり3万3000円台回復
全体の50%以上が現預金となっており、国際比較するとかなり異常な数値だ。2022年3月末の数値で日米欧を比較してみると、その違いは一目瞭然だ(資料:日本銀行、カッコ内は、投資信託、株式の比率)。
⚫️アメリカ…… 13.7%(12.6%、39.8%)
⚫️ユーロエリア……34.5%(10.4%、19.5%)
いかに、日本の人々が現金や預貯金にこだわっているかがよく理解できるはずだ。ちなみに現預金の中身だが、そのうちの「現金」いわゆる「タンス預金」は2022年12月末時点で「109兆円」と過去最高になっている。預金も、普通預金などの「流動性預金」が585兆2506億円(2021年12月末)、定期預金などの「定期性預金」は392兆1217億円(同)と大半を占め、ドルなどの「外貨預金」は7兆610億円しかない。
実は、密かにリスクをとっている日本人
なぜ日本人は、投資信託や株式といったリスク商品に流れず、現金や預貯金にこだわるのか。その背景には、バブル崩壊でひどい目にあったことがトラウマになった、という説が多い。バブル時代に、NTT株の放出でおいしい思いをした投資家が、株価急騰の波に乗って投資を始め、その後1989年の大納会でピークをつけて以降、日本株は30年以上にわたって最高値を更新していない。
株価を上げるためだけに始めたような「アベノミクス」でも、最初こそ外国人投資家の買いで株価は上昇したものの、その後もまた低迷を続けてきた。株価の低迷は、投資信託などの個人投資家が運用に使える金融商品にも悪影響を与え、投資することに臆病な国民性ができてしまったと言える。
実際に、日本の株式市場の個人投資家の比率は1970年には4割近かったものの、2022年3月末には16.6% (日本証券業協会)となっており、アメリカやヨーロッパと比べると低迷している。
その反面、日本の株式市場は外国人投資家の比率が3割を超えており、外国人投資家による売買で、株式市場は常に不安定な相場を余儀なくされてきた。30年近くに及ぶデフレ経済では、現金や預金だけで運用しても資産価値が下がらず、むしろ“お金”の価値が上昇していく時代だった。しかし、今後もそうなる保証はまったくない。
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