ボールガール「日給6400円」サーブ直撃もある過酷 「肉体的にも精神的にも重労働」経験者に聞いた

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ボールガールとはどんな仕事なのか(写真:和尚/PIXTA)

全仏オープンテニスの女子ダブルス3回戦で加藤未唯選手が、ボールガールにボールを当て失格となった。ボールガールとはどんな仕事なのか。「肉体的にも精神的にも重労働」と、国際大会の経験者が教えてくれた。

ボールガールを経験した女性「緊張感は半端ない」

事の発端は、日本時間4日に行われた全仏オープンテニス女子ダブルス3回戦。第2セット途中、加藤未唯選手が相手側コートに送った球がボールガールに直撃した。その後、ボールガールは涙が止まらず退場した。この加藤選手の返球が危険な行為とみなされ失格となってしまった。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

「勝つためにコートに立つ選手たちをサポートするので、緊張感は半端ない」とは、日本国内で開催されたテニスの国際大会でボールガールを経験した女性(53歳)だ。

「私がボールガールをやったのは、全仏などの世界四大大会より規模は小さいですが、賞金は出ますし、ランキングポイントもつく試合でした。当然ですが出場選手は真剣です。私たちボールガールをはじめ、大会を支えるスタッフももちろん真剣に取り組んでいます」

ボールパーソンは、テニスコートの四隅に各1名、ネット際に2名の合計6名で試合中のボールを回す。サーブを打つ前に選手に球を渡したり、ネットに引っかかった球をダッシュで拾いに行ったりする姿を国際試合のテレビ中継などで見たことがある人も多いだろう。確かに、球に反応して瞬時に動き、大変そうだ。 

「球を選手に渡すだけというと簡単そうに見えるかもしれないですが、私がボールガールをやった大会では、試合中使用できるのは8球です。サーブを打つ人に対して、右手に1球持ち、真っすぐに手を上げ、もう一方の左手は腰の位置で『ここにまだ他の球があります』と見せるように構えます。ワンバウンドで選手が取りやすい位置に球を投げて渡すのですが、それ自体はそんなに難しいことではない。サーブが入らなかったり、ポイントが取れなかったり、自分のプレーにイライラした選手が、球に八つ当たりして、どこかにポーンと打ってしまうと、さぁ大変! なんです」 

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