岸田首相、長男更迭の逆風も「6月解散に本腰」の訳 秘密裏に選挙情勢調査を実施、その結果は?

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そこで茂木幹事長らは公明党に対して、自公の亀裂を東京以外に広げないように念を押す一方で、「公明党が東京で組織的に維新を支援するなら、連立政権の存亡に関わる」というメッセージを強く伝えている。

この状況は総選挙に向けた大きな不安定要素となるが、意外にも岸田首相は強気の姿勢を見せているという。官邸関係者が語る

「岸田さんは2020年の党政調会長時代、コロナ給付金を巡って公明党に顔を潰され、公明党には複雑な思いを抱いている。だから今回も表向きは『公明党とはうまくやれ』と党に指示を出しているが、内心は『公明党には振り回されない』という気持ちを持っている」

岸田首相の根底にある公明党への反発心

公明党への反発心が岸田首相の根底にある。そんな雰囲気を察してか首相側近もこう話す。

「公明党は早期解散反対でいろいろ言ってきているが、いざ選挙となれば交渉に応じるだろう。東京で公明党は自民党候補の推薦を見送るにしても、個別選挙区の判断で支援を検討するというところまで持っていければ御の字だ」

こうした状況の中、創価学会の関係者は私の取材に「もう我々の力で岸田首相を止めることはできないかもしれない」と嘆いた。

通常国会会期末まであと2週間を切った。6月解散の流れは、引き返せないところまで強まりつつある。財源確保法案の成立と内閣不信任案の提出が焦点となる。

そんな中で岸田首相は、自民党保守派議員の抵抗が根強いLGBT理解増進法案の今国会での成立も指示した。これが自民党内に波乱を巻き起こすのかどうか。最終盤の国会は野党の抵抗と渾然一体となって混乱する可能性も出てきている。岸田首相の最終決断はいかに。そしてこの国の政治はどこに向かうのか。目が離せない展開が続くことになる。

青山 和弘 政治ジャーナリスト、青山学院大学客員研究員

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あおやま かずひろ / Kazuhiro Aoyama

元日本テレビ政治部次長兼解説委員。1992年日本テレビ入社。1994年に政治部に異動し、以来羽田政権から石破政権まで16の政権を取材。野党キャップ、自民党キャップ、ワシントン支局長を歴任し、国会官邸キャップを2度6年に渡り務める。与野党、省庁を問わない幅広い人脈を持ち、分かりやすい解説には定評がある。2021年に独立し、メディア出演、記事執筆など精力的に活動している。HP:青山和弘オフィシャルウェブサイト

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