ARアプリやARゲームなどをiPhoneやiPadで体験すると、端末自体が非常に高温になることがある。カメラが常時ONになり、グラフィックス、機械学習を含めた処理がフル回転するためだ。Apple Vision Proは、その状態を常時こなしていることになる。
しかしながら、30分のデモを終えた後であっても、端末が熱くなったり、熱がおでこに伝わってくることはなかった。M2、R1という2つのチップの熱を、ゴーグル部分の下から吸気し、上に排気する空冷システムが静かに作動し、ゴーグル内に体温以外の熱がこもることを、効率的に防いでいた。
ホワイトボードアプリで資料を共有
今回のデモにはFaceTime通話が含まれていた。アップル本社の別の場所にいるスタッフからビデオ通話が着信し、応答すると、その人が視野に映し出される。相手もApple Vision Proを装着しているため、通常のウェブカムなどに映ることはできないが、あらかじめ作成しておいたアバター(Persona)が、口の動きや目の動き、手振りなどを自然に伝えてくれていた。
その相手が、ホワイトボードアプリ「フリーボード」を共有してくれた。ビデオ通話でシェアされるコンテンツが空間に大きく広げられ、会議やコラボレーションが円滑に進むことを予期することができた。
繰り返しになるが、これがもし大学の授業の場合、Apple Vision Proを装着したままでも、手元にある紙のノートにメモを取ることは容易だ。普段大学の授業をやっている身からすると、ハイブリッド授業、オンライン授業などで強力な手段となりうる。もちろん、価格というハードルはあるが――。
映像体験も素晴らしいもので、部屋いっぱいどころか、視界を遥かに超えるサイズのスクリーンを配置して映画を楽しむことができる。しかも前述のように高精細なだけでなく、明るさ、発色も申し分ない。一人で楽しむホームシアターのシステムを完全に代替して余りある体験を、Apple Vision Proは提供してくれていた。
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