白飯とおかず1種類の「だけ弁当」異例ヒットの裏 「売れるわけない」の声にも屈せず商品化した

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開発のきっかけは、何で世の中にはウインナーがメインの弁当が売っていないのか、という自身の素朴な疑問だった。「ウインナーとかミートボールとか卵焼きとか。とってもおいしいのになぜかメインじゃないですよね。でも好きなおかずだけを思う存分食べたい人もいると思ったんです」。店舗で毎日のように買い物客の動向にアンテナを張っているからこその発想だった。

商品部に企画を持ちこむも、答えはNO。「売れるわけない」「見た目が……」。前向きな意見は一つも寄せられなかったが、何度却下されても諦めずに訴え続けた。

何度却下されても譲れない条件

商品化を困難にした理由はもうひとつあった。本体価格は200円であること。ウインナーは5本入れること。「これだけは絶対に譲れない条件として提示しました。それで原材料の調達や製造ラインの調整がなかなかうまくいかなかったんです」。しかし、どんなに断っても変わらない熱意に、最後は商品部がほだされた。

忘れもしない2021年6月30日。初めて店頭におかずがウインナーだけの弁当が並んだ。あっという間にSNSをにぎわせ、累計販売数は約166万食(3月末時点)に上った。昨年11月にはシリーズ第6弾となる「玉子焼弁当」が発売され、こちらも順調に売り上げを伸ばしている。

玉子焼弁当(画像:ローソンストア100プレスリリース)

新たな「だけ弁当」の企画、商品化に奔走するが、本来の店舗運営の仕事も決して手は抜かない。徹底した現場主義を貫き、毎日のように各店舗に出向いて商品の売れ行きや買い物客の動きを確認する。店長やオーナーとのコミュニケーションも大切にしている。

「現場が楽しくないと商品は売れません。現場の声をとにかく聞いて、売りたいと思ってもらえる環境をつくることが私の使命です」

(ライター・浴野朝香)

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