東日本大震災の復旧・復興財源、バラまき凍結に加えて歳出入の抜本改革を急げ

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 東大大学院の井堀教授は、「国の一般会計予算のうち、社会保障関係費と地方交付税が歳出の2大項目。増税という歳入面だけでなく、歳出の2大項目にもメスを入れなければ、財政再建は難しい」と指摘する。

11年度当初予算92兆円強のうち、国債費を除く政策的経費は71兆円弱。その中で社会保障関係費は29兆円、地方交付税は17兆円を占める。高齢化で自然増が続く社会保障関係費を抑制するには、所得の多い高齢者に年金や医療での負担増をお願いするしかないだろう。

一方、地方交付税を削減するには、地方の歳出、特に地方公務員の人件費を減らすことが有効だ。地方公務員の人件費は09年度で約24兆円もある。民主党は、マニフェストで国家公務員の人件費2割削減(1・1兆円)を公約しているが、仮に地方公務員の人件費を2割減らせば、5兆円近い歳出削減につながる。

与野党の国会議員は4月から半年間、月50万円の給与削減を決めた(半年間の削減率は3割弱)。国民に増税や社会保障改革という負担を強いるのであれば、その“痛み”を和らげるため、国会議員に加え地方議員や公務員も、せめて震災復興が終了するまでは給与を削減すべきだ。

(シニアライター:柿沼茂喜 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2011年4月16日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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