東日本大震災の復旧・復興財源、バラまき凍結に加えて歳出入の抜本改革を急げ


 また、法人税の実効税率引き下げについても、いったん先送りすべきだ。これらのほかに、11年度当初予算に計上した予備費1・2兆円を活用すれば、短期的に3兆~4兆円程度の財源は確保できる。

これを上回る中長期の費用については、当面、国債発行で調達するしかない。その際、重要なのは、「国債発行を先行させるとしても、数年後には“復興目的税”を設けて償還財源に充てることを決めておく必要がある」(土居丈朗・慶応義塾大学教授)という点だ。

国債や地方債などを合計した日本の政府債務の残高は、すでに900兆円に達する。GDP比で2倍近く、先進国で飛び抜けて高い水準であることは周知のとおり。無節操な国債増発に走れば、国債価格がいつ暴落してもおかしくない。政府・与党内には、“禁じ手”である日本銀行による国債引き受け案も浮上しているが、これは絶対に避けるべきだ。

東京大学大学院の井堀利宏教授は、「国債発行と同時に、この際、将来の消費税率の引き上げを決めてしまうべきだ」と言う。

国債を発行する場合、現状の枠組みでは、道路、港湾などのインフラ復興に充当する分は建設国債、それ以外の分は赤字国債ということになる。だが、復旧・復興のための国債は、現行の60年よりも短期の償還を明確にし、別勘定にしたらどうか。

中央大学法科大学院の森信茂樹教授は、「復興債という新しい概念の国債を発行し、数年後からは、それに見合った税収を確保するため、所得税と法人税に時限的に付加税を課すのが望ましい」と主張する。たとえば、復興債を5年間で計10兆円発行したとする。所得税と法人税合計の税収は、10年度予算ベースで約20兆円。税率引き上げなどで10%の付加税を課せば、毎年2兆円程度の税収が得られる。5年間の臨時増税で復興債10兆円の償還を賄える計算だ。

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