平気で「朝散歩する人」が知らない怖い健康リスク 医学博士がすすめるのは「夕散歩」だった!

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青柳先生の研究によれば、1日1万歩歩いていても、運動強度が低くて骨粗鬆症になったと考えられるケースもあったという。

また、別のケースでは毎朝、1万歩を目標に愛犬の散歩に行っていた70代の男性が、うつ病を発症した。

「実はこの方、散歩以外の時間はソファでダラダラ過ごしていたようです。つまり、日常の身体活動が不十分だったと考えられ、一度にたくさん歩いても、健康をキープできるというわけではないということが言えると思います」

「毎日1万歩」で免疫力が低下!?

激しい運動ができれば健康だという認識も間違いだ。適切な運動は免疫力を上げるが、過度になれば身体は疲弊し、免疫は低下するそう。

「これは、白血球に含まれていて免疫に関わるNK細胞や、白血球の一種で身体に侵入した細菌を処理する好中球が減少するため。免疫が下がれば、風邪などをひきやすい状態になってしまいます」

スマホのヘルスケアアプリの機能で、歩数を毎日チェックしている人は多いが、「歩数だけではなく、もっと運動の負荷を意識してもらいたい」と、青柳先生。

身体活動計の一例。最近ではポケットに入れるタイプのものが増えている(画像:週刊女性PRIME)

「イギリスの調査で、活動量の確認をしていた場合は、そうでない場合と比べ、歩数が1日あたり平均2000歩増えたという報告がありました。モチベーションを上げる上でも役立ちます」

では、日常生活の中で手軽に運動の負荷を上げるには、どうしたらいいのだろうか。

「正しい速歩きを1日20分、行うこと。その際、歩幅を大きく広げることを意識して歩いてみましょう。

運動強度が中強度の歩き方は1分あたり120歩程度ですが、それぞれの身体能力によって異なるのであくまでも目安としてください。若い人とシニアでは歩く速さが違っていいのですが、速歩きをした合計時間が1日で20分になると理想的です」

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