客単価4800円「牛角の高級店」はアリかナシか 「成城学園前」駅近でシャトーブリアンを提供
人気メニューは「和牛カルビ」(1738円)、「和牛カイノミ」(2178円)、「石鍋海鮮チゲ」(968円)など。
また、シャトーブリアンも扱っている(4378円)(価格はすべて税込)。
シャトーブリアンはヒレの中心の厚味がある部位で、牛1頭から3%しかとれない希少な部位。やわらかく、脂がきめ細かく入っているのが特徴。
名前の由来には諸説あるが、19世紀フランスの美食家にちなんだものとされる。
上記の店構えや高級部位として知られるシャトーブリアンの品揃えから、筆者は「高級」という印象を受けたが、同社では高級を意図してはいないそうだ。
確かに、牛タン(1298円)や、牛角でも定番の「Gyu-kakuカルビ」(1408円)といった安めのメニューも。ちなみに牛角で提供している「牛角熟成カルビ」(759円)と同じものだそうだ(ただし1皿の量に違いはあり)。
高コスパ価格をどのように可能としているのか
客単価はアルコールも含め、4800円前後とのこと。確かに価格の面から見れば、牛角がふだん行く焼肉店だとすれば、成城学園前店は「ちょっと特別な日に行く焼肉店」という感じだ。
本当の高級店であれば客単価が万単位になってしまうだろうが、同店では、肉の質に対してリーズナブルな価格設定を目指しているということだろう。例えばシャトーブリアンは1人前(100g前後)4000円程度。検索すると通販でいろいろな銘柄のものが出てくるが、九州・沖縄産黒毛和牛150gで7000円ちょっとのものもあった。同店で提供しているメニューは単純計算でもこれより安いが、店で提供することを考えればさらにコストパフォーマンスがよいことはわかるだろう。同店では高コスパ価格をどのように可能としているのか。
成城学園前店の立ち上げを担当した、新規事業本部長に聞いた。
第一に、ブランドを限定せず、その時々で各地からよりよい素材を仕入れていること。つまり時期によって扱うブランドが違うわけだ。店の入り口には、その日に仕入れた和牛の銘柄を記したボードが掲示されている。
第二に、グループ内の各焼肉業態との一括仕入れによるコストメリットだ。
さらに肉はブロックごと仕入れ、店舗で切り分けている。カットの過程で出る端材もサイドメニューとして活用している。
実はこの最後の要素、「店内カット」は同店のブランド価値としても重要なポイントとなる。というのも、肉はカットによってその質や味が大きく変わるからだ。
「サシの入り方、形などはその素材ごとに異なるため、どのように切り取るかその都度緻密に計算する。ブロックをなるべくムダにせず商品にする、カット技術が問われる」(レインズインターナショナル新規事業本部長)
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