客単価4800円「牛角の高級店」はアリかナシか 「成城学園前」駅近でシャトーブリアンを提供

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牛角よりワンランク上の焼肉店「牛角成城学園前店」。バーカウンターを設えたスタイリッシュな内装に、従来型との違いが表現されている(撮影:大澤誠)
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27年前、「リーズナブルな焼肉」という新しい価値を掲げて誕生して以来、564店舗(2023年5月1日時点)と、焼肉チェーンの中でも最大の店舗網を広げてきたのが、牛角だ。

その牛角が、最近「高級志向」に手を伸ばしているのをご存じだろうか。

牛角よりワンランク上の「牛角成城学園前店」

牛角と言えば、単価3000円程度で酒のつまみも揃い、雰囲気も悪くないので、お金のない若者であっても宴会やデートなど、幅広く使うことができる便利なチェーンだ。バブル崩壊後の1996年、起業家の西山知義氏により第1号店がオープン。それまでの「高級」という焼肉のイメージを打ち壊した。

ビジネスモデルはオペレーションの簡略化。アルバイトでも可能な形にしてコストダウンを図り、平均単価を従来の5000円から3000円に引き下げた。

コロワイドグループ子会社で「しゃぶしゃぶ温野菜」「居酒屋北海道」等を展開するレインズインターナショナルによる運営のもと、現在までに全国564店まで店舗網を広げてきた。

2023年3月期の決算では、グループ売上高が2208億3000万円、レインズインターナショナル単体で875億9200万円となっている。

とはいえ、今となっては「安くておいしい焼肉」という市場にはさまざまな企業が参入しており、「安い」という価値は、焼肉のチェーンにおいてもはや珍しくなくなっている。ちなみに、店舗数で2位につけているのが、3000円からの食べ放題を提供し、近年急激に頭角を現してきた焼肉きんぐで、約300店舗となっている。

そこでレインズインターナショナルでは近年、フードコートに展開する「牛角焼肉食堂」や、「牛角食べ放題専門店」といった業態の多様化により、幅広い客層を取り込む戦略をとってきた。

そして2022年9月、牛角よりワンランク上の価値を掲げた業態が新たに誕生した。「牛角成城学園前店」である。高級住宅街として知られる成城学園前の駅近く、もともとあった牛角をリニューアルしてオープンした。

同店の特徴は、第一に素材だ。黒毛和牛を中心とした、A4、A5ランクの牛肉を高コストパフォーマンスで提供するという。またニューヨークの牛角(2005年に進出)をイメージしスタイリッシュな内装を目指したとのことで、焼肉店なのにバーカウンターがある。

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