Web会議で「犬の姿になった常務」の驚きの一言 メタバースで変わる職場のコミュニケーション

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実験では、男女108人、54ペアが「記憶から消してしまいたい出来事」など個人的なものについて話します。その際、対話の仕方は次の3つのパターンです。

「(お互いの顔が見える)ビデオチャット」

「本人と似ているVRアバター」

「本人と似ていないVRアバター」

あなたも、誰かと話すときをイメージしてみてください。個人的なものについて話すとき、どのパターンが話しやすそうですか?

東京都市大学などの研究では、実験結果をもとに対話中に参加者がどの程度、自分をさらけ出したか、話した内容や声のトーンなどから評価しています。

すると、自分をさらけ出した度合いの高い順に「本人と似ていないVRアバター」「本人と似ているVRアバター」「ビデオチャット」。実験結果として「VRアバターによるコミュニケーションはビデオチャットよりも“素の自分”をさらけ出す」ということを発表したのです。

(画像:本書より引用)

しかも、参加者のアンケート結果では、個人的なことを話すことに対して、アバターでもビデオチャットでも認識や気分に変化はなかったというので、アバターを使うと意識せず自分をさらけ出すことができていたことがわかります。

自分と違う姿ほど本音が話せる

自分とは違う姿のアバターを使っているときほど本音が話せる……。現実を生きていると将来への不安やストレスを感じることもある中で、自分が置かれている状況から離れ解放されることを無意識に求めている証拠だと考えています。

アバターの活用については、内閣府も注目しています。「ムーンショット計画」をご存じですか?

ムーンショット計画は「2050年までに人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現する」ことを目標としたもので、その中でアバターやロボットを組み合わせて活用し、誰もが多様な社会活動に参画できる「サイバネティック・アバター生活」という未来の暮らしを掲げています。

「人生100年時代」といわれる中で、健康で安心して人生を楽しめる社会をつくるために、アバターの力が注目されているのです。

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