「方針がない…」残念な上司が言うトホホな言い訳 トヨタの強さの源泉はマネジャーの「言語化力」だった
あなたが置かれている状況は、今どの段階でしょうか。
●ステージ2:策定されていても、会社から明確な説明がない
●ステージ3:説明もあった気はするが、覚えていないし活かせてもいない
まずは「ステージ1:ビジョンや方針が、そもそも策定されていない」という段階です。日々多くのビジネスパーソンの方々と関わっていると、次のようなセリフを見聞きする機会が頻繁にあります。
「いやー、うちの会社は方針とかビジョンとかないんですよね」
独立して社会人教育の世界で働くようになって10年経ちましたが、特に初期の頃は、こうした発言をする人が思った以上にたくさんいて、見聞きするたびに驚いていました。
ビジョンや理念、方針等が何もないと断言することは、「何のために働くのかという判断基準・ものさしがありません」と宣言しているに等しいからです。
そんな状態では、マネジャーとしてもプレーヤーとしても、判断や選択、意思決定することができなくなってしまいます。
「何を軸に管理したらよいかわからない」と言っている人に、そもそもマネジャー業務は務まりません。にもかかわらず、「うちにはそんなのありません」と平然と言ってのけてしまう人が、どうしてこんなにも数多くいるのか……。
「部下が自ら変わっていくマネジメント」に向けた第一歩
多くのビジネスパーソンと交流する中で、しだいに問題の所在がわかってきました。
「うちの会社にはビジョンがない」と公言し、勤務先への不平不満に終始するマネジャーには、ある共通点があります。
それをヒトコトで言語化したものが、次の1行です。
他ならぬマネジャー自身が、主体的に働けていない。
第1章で「世間」や「空気」、「社会的手抜き」といったキーワードを紹介しました。個人としての能動性よりも、集団への受動性を優先する傾向の強い組織が日本にはまだまだ多いため、そのような職場環境ではそもそもマネジャー自身が主体的な姿勢で働きにくくなってしまう……。心当たりのある人は、まずはこうした前提やメカニズムについて深く認識してほしいと思います。
そのうえで、自身の当事者意識を取り戻すことから、全てをリスタートしていきましょう。それができない限り、部下も受け身でしか働いてくれないという構造がいつまでも再生産されていくだけです。
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