「勉強の進み具合はどうですか。今日は、あなたの勉強のお役に立とうと、弊社の保険教材をお持ちしました。」
差し出された社内教材は、丁寧にお礼を言って受け取りましょう(既に保険の勉強は終わっているので、読む必要はありません)。でも教材以外のものはもらってはいけません。
たとえ小さなサービス品ひとつでも、受け取ってはダメです。わずかなものでも、それがあなたの負い目となります。借りたものは返す、何かを貰ったらお返しをする。それが社会の掟(ルール)だからです。
ここで、メモしてあったあなたの疑問をひとつ二つ、何気なく投げかけてみましょう。おそらくそれは、保険に関する基本的な、しかし素朴であるがゆえに鋭い質問になるかと思います。
営業員には2つのパターンあり
ここでパターンが2つに分かれます。
まず、営業員がきちんと答えられない場合です。この人は、まともな営業員ではありません。おそらく、そのレベルの営業員はあなたの質問攻撃に懲りて、徐々に来なくなると思います。作戦は成功したわけです。でも、そのような営業員でも社会人としては先輩です。敬意を持って接する心構えは決して忘れないで下さい。社会人の心構えのイロハですから。
もうひとつのパターンは営業員があなたの腑に落ちるように答えた場合です。この人は、優秀な営業員かもしれません。保険営業は非常に厳しい仕事です。そのなかで保険を売って成績を出し続ける営業員は、「エスキモーに冷蔵庫を売る」ことができるほどの営業の達人と言えます。営業を極めた人には、人格的にも優れた人が多くいます。新社会人として、色々と学ぶことのできる貴重な先輩かもしれません。その気になれば、営業のイロハを学ぶこともできるでしょう(ただし、保険そのものについて学ぶことは、おそらくそれほどありません)。
いずれにせよ手強い相手ですから、保険に入る、入らない、の厳しい話し合いが待っています。
しかしこの保険バトルは、あなたにとって貴重なビジネスの実践練習になります。この営業員とのやりとりを通して、あなたは社会人としてひと回り大きな人間になっているでしょう。勇気があるならば、この断り方にぜひトライしてみてください。
最後まで戦い抜けば、不思議なことに、おそらくあなたはその営業員に、好意を抱くようになっていると思います。そして、その営業員も(たとえ保険は断られたとしても)、あなたを将来性のある有望な新社会人として、評価してくれているはずです。
このような小さな縁を大切に積み上げていくことこそが、社会人として大きな財産となっていくのです。
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