氷河期世代をどう救う?現行制度では行き詰まる 氷河期後の世代も雇用は不安定、年収は低い

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通勤する女性の後ろ姿の足元
(写真:ロストコーナー/PIXTA)

1990年代半ばから2000年代初頭の就職難の時期に社会に出た就職氷河期世代は、バブル経済崩壊前に就職した上の世代と比べて長期にわたり雇用が不安定で収入も低いことが知られている。では、下の世代と比べるとどうか。本稿では93〜04年卒を氷河期世代と定義するが、実は05年以降卒の世代も、氷河期世代と同じくらい非正規雇用が多く、年収も上がっていない。

労働力調査を用いて、世代間の比較をしてみよう。まず、バブル景気のさなかに就職した87〜92年卒をバブル世代とする。97年秋に始まった金融危機の前に就職活動を終えていた93〜98年卒を氷河期前期世代、99〜04年卒を氷河期後期世代と分ける。前期はバブル期との落差は大きいものの求人倍率や就職率などの数値自体は後期以降の世代よりはよく、後期は失業率が戦後最悪の水準だった。

氷河期世代より若い世代はリーマンショック前後で分け、05〜09年卒をポスト氷河期世代、10〜13年卒をリーマン震災世代とする。00年代半ばは景気回復期といわれるが、実際は90年代後半と同程度まで回復したにすぎず、リーマンショック後は00年代初頭と同程度の厳しい雇用情勢だった。

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