駐車・駐輪や喫煙のマナー違反、犯罪、街中での落書き、廃棄物の不法投棄。誰かの規範逸脱行為を目撃したとき、人は自身に負荷がかかるとしてもそれを正そうとするだろうか。それは国によって異なるのか。周りの人から影響を受けるのか──。
信頼や協力などの「社会的資本」は、経済活動にもよい影響を与えると知られている。その醸成には、規範逸脱の蔓延を防ぐことが必要で、第三者による罰則が有効だ。
筆者は、英ニューカッスル大学のウォーカー博士、シャルマ博士と共に、英国とインドで、「囚人のジレンマゲーム」を用いた経済実験を行った。
ゲームに参加する2人の「プレーヤー」はゲーム開始時点で約1300円を持っている。各人はその中から500円を相手に送る(=協力する)か否(=裏切る)か決める。相手プレーヤーから送られたお金は、受取額が3倍になる。つまり、互いに500円を送り合えば両者は2300円ずつ報酬を受け取れる。一方、相手を出し抜いて、自身は送らず受け取るだけにするならば、報酬は2800円になる。
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