徒労感しかない「筋の悪い成長戦略」からの脱却法 打ち手に迷う経営陣のための成長の標準モデル

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経営陣が、数ある選択肢から正しい打ち手を選び取り、正しいタイミングで実行するために知るべきことは何でしょうか?(写真:Luce/PIXTA)
経営陣が「成長戦略」を間違うと、現場には徒労感が残り、会社も存亡の危機に立たされます。過去50年間にわたって高成長を遂げた日本企業110社は、そんな落とし穴を避けて、どのように成長を達成してきたのでしょうか。
時機を捉え、正しい戦略を選んできた偉大な経営者たちの着眼点を学べる書籍『企業成長の仕込み方』(『経営戦略の実戦』シリーズ2巻)から抜粋してお届けしよう。

安定成長を遂げる企業は実は少ない

企業成長は、概念として接地感に欠ける面がある。

企業成長の仕込み方(経営戦略の実戦(2))
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成長、成長と声高に叫ぶ人は跡を絶たないし、打ち手に困っているように見えないのに、安定成長を遂げる企業が意外と少ないからである。

経営陣が次から次へと繰り出す打ち手が空振りに終わり、社員多数が徒労感に苛まれているのだとしたら、概念そのものを吟味し直す必要がある。

『企業成長の仕込み方』では、高成長を遂げた日本企業110のケースを積み上げ、そこに登場する企業については、東洋経済オンラインでも紹介してきた。

50年間高成長で高収益を遂げた日本企業30社とは
50年間高成長だが収益は低い日本企業42社とは
50年間高成長で収益は中程度の日本企業38社とは

ここでは、その成果を踏まえ、ケースの集積に横串を刺すことで企業成長の標準モデルを提示してみたい。

数ある候補から正しい打ち手を選び取り、正しいタイミングで実行に移そうと思えば、成長の背後に横たわる力学を正しく理解することが前提となる。

そういう力学を解き明かし、概念を研ぎ澄ますのは、実学の使命にほかならない。

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