7000万円貯めた人の「ざっくり」貯金術  きまじめにやればやるほど貯まらない

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通帳の残高が増えていくのが楽しみで、お金を貯めること自体が目的になっている人がいます。万が一の備えとしての安心感は生むものの、お金をほかの価値に変換できないので、お金本来の力を発揮させることができません。

そもそもお金は何のために貯めるのでしょうか。貯金は将来の自分に対する贈り物という側面を持ちます。貯めたお金で、自分の夢を実現して、豊かな生活を送る。そのためにお金を貯めるのだと思います。つまりは「使うために」貯めるのです。

「死に金」貯金になっていませんか?

このような観点から考えると、ただ貯金残高の増加を眺めているというのは、持っていても持っていなくても同じお金、いわゆる「死に金」を貯めている状態です。自己満足の範囲内であればよしとしても、それに付き合わされるパートナーがいたとしたら可哀想です。いずれ、亀裂が生じて貯金生活は破綻してしまうかもしれません。

では、このような状況に陥らないためにはどうすればよいのか。そのいいヒントが「企業ピラミッド」にあります。

企業ピラミッドとは、経営に必要な要素をピラミッド上に並べたものです。下の階層に降りるに従って、より細かく、より具体化されるのが特徴です。

○年後はこうなっていたいというビジョンを頂点として、2段目にはビジョンを実現するために達成すべき数値目標。3段目は数値目標を現実のものとするための戦略、4段目が戦略に従った具体的な計画と行動になります。

このピラミッドの考え方を導入することで、「死に金貯金」を回避できます。ピラミッドは頂点から1段1段ブレークダウンしていくのですが、ここが重要なポイントになります。つまり、初めに目的・夢を決め、最後に「貯金する」という具体的なアクションが出てきます。

貯金は目的ではなくて、あくまで手段にすぎないのです。

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