「できる人」と「できない人」勉強法の考え方の違い なぜモチベーションは高くても成果が出ない?

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試験勉強に限らず「常に完璧を目指す人」というのが、自らの描く自分の像と現実との乖離に苦しめられ、挫折してしまいがちなのは、みなさんも想像できると思います。一方で「とりあえず理解はできた」くらいで先に進んでいける人は、自分に見える世界が広がっていく中で、過去に勉強した単元の全体像の中での位置づけ(マップにおける配置)も少しずつ見えてきて、いわば「勉強の解像度が上がってくる」のです。

まずは「一つ一つを完璧に覚えようとせず、理解できたら全体像を意識しながら次に進めていく」こと。そして全体像を把握したら、2周目以降は「枝葉」にも少しずつ目を向けていく。これだけで知識の習得効率が圧倒的に上がることを体感できるはずです。

あなたは誰もが知っている「織田信長」がどのようなことを行ったかを説明できますか? 仮に「楽市楽座」や「本能寺の変」などの言葉が出てこなかったとしても、「要はこういう感じのことをして、次の時代に繫がっていった」というおおまかな全体像を説明できるのであれば、細かい用語の暗記は後でいくらでもスムーズに行えて、最終的には高得点が望めるようになる、ということです。

自分に適度な負荷をかけられるか?

勉強ができる人とできない人の違いにおける、3つ目の重要な要素は「自分を知り、乗り越えられる程度の適度な負荷を自分にかけ続けられるか」です。

資格の取得を心に決めて勉強の計画を立てるとき、多くの人は初めはやる気に満ち溢れ、無理にでも勉強にかける時間を捻出しよう、と努力するものだと思います。

しかし、よく例として挙げられるように、100メートルを10秒で走れる短距離走の一流選手でも、42.19キロを1時間10分で走ることができるわけがありません。

長期間のダイエット計画などでも同じなのですが、(もとの体型によるとはいえ)1カ月に体重を10%も落とすような食事制限&トレーニングの計画を立て、努力の結果としてそれを達成できたとしても、そこまでストイックな生活を何カ月も続けられる人は、非常に少ないでしょう。

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