「できる人」と「できない人」勉強法の考え方の違い なぜモチベーションは高くても成果が出ない?

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その一方で、ダイエットを志す前とほとんど変わらないような生活をしているようでは、当然ダイエットの成果が出るはずがありません。大切なのは、自分で自分に「ある程度耐えられるレベルの負荷」をかけ続け、それを継続・習慣化することなのです。

特に注意すべきは、「モチベーションの高い勉強開始初期に無理な計画を立て、ほどなく挫折してしまう」人が多いことです。ここでもダイエットや筋トレを例に考えてみましょう。

たとえば今まで運動したことのない人がダイエットを決心して、「毎日スクワット30回」はしたほうがいいだろうと計画したとしても、実際にはスクワット10回でもキツいかもしれません。

そのときに計画を変更せずに継続すると、理想と現実の大きな差に心折れて挫折してしまうか、あるいはその目標値はどうせ達成できないものだと脳が認識した結果、目標自体が意味を成さないものとして形骸化してしまうおそれがあります。

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そのため、無理な計画であると認識した時点で、自分の限界値を勘案した適切な計画に設定し直すことが重要なわけです。たとえば、まずは目標を自分の限界値ギリギリのスクワット10回とし、毎週その回数を5回以上増やしていくという計画に変更することで、次第にトレーニングの成果が上がっていきます。

人間はそれがよほど過酷な条件でない限り、多少の負荷には徐々に慣れていくものです。なにより自分に、自分が耐えられるレベルの負荷さえかけない人は、順調な成長など望むべくもありません。

「無理のある負荷のかけすぎはNGだが、多少の負荷もかけない人は合格に近づけない」という当たり前のことを、心に留めておいてください。

河野 玄斗 河野塾ISM塾長

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こうの げんと / Kouno Gento

1996年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒。在学中に司法試験と医師国家試験に合格。卒業後はYouTubeで「河野玄斗の神授業」配信や、学習アプリ「ring」開発等を通して受験学習コンテンツで受験生の支持を集めている。2022年には、司法試験、医師国家試験と並び三大国家試験と呼ばれる試験のうち、もっとも合格率が低い公認会計士試験に挑戦。今回も一発合格を果たしている。

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