「PBR1倍割れ」でも稼げる企業を探す簡単な方法 日本企業が厳しい国際競争で生き残っていくには
2023年3月に東京証券取引所(東証)が公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」は株式運用の業界で大きな話題となりました。この“お願い”には、わが国の企業が、厳しい国際競争の世界のなかで生き残っていくための重要な経営・財務戦略の趣旨が示されているからです。
今後、企業が決める経営目標の潮流が変わるキッカケにもなるでしょう。そこで東証からのお願いに関する解説をするとともに、今後はどんな企業が期待されるのかを「四季報オンライン(無料版)」を使って探す方法を紹介します。株式投資を考えている読者の方だけでなく、一般の読者の方にも企業経営の変革の大きな流れを、わかりやすく伝えたいと思います。
わが国の企業の国際競争力が低下してきた原因
近年、中国など新興国の企業が急成長する一方、IT業界では、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック(メタ)、アップル)と呼ばれるアメリカの企業が席巻しています。こうしたなか、わが国の企業は、他国の企業と比べて地盤沈下していると言われています。
わが国の企業の国際競争力が低下してきた原因については、技術力が下がったとか、給与面で劣るために優秀な人材が確保しにくくなった、などの多くの理由が挙げられています。しかし、これらの根本にあるのは、「経営・財務戦略」に関する問題です。経営・財務戦略を平たく言えば、経営者が「企業が行ういくつかの事業のうちに、どの事業を重点的に行っていくか、そのために、投資などのお金をかけていくか」を決めていくことです。
戦略がよければ、無駄な投資をせずに、企業にとってあるべき目標に向けた研究開発や人材投資ができるのです。そして、あるべき目標とは「企業の価値を高める」ということです。企業価値を高めるための経営・財務戦略を行うことで、わが国の企業の国際競争力も高められるのです。
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