会社員はうんざりな「凡人」が起業する現実的方法 自分で「才能がない」と思っていてもチャンスあり
福山:才能のあるなしについて語りましょう。起業やビジネスについての相談を受けたとき、ほとんどの方は謙遜して「自分には才能がない」と言いがちです。
野球を例にすると、大谷翔平選手には特別な才能があると思います。打力や投力、走力などのパラメーターを示したレーダーチャートがあれば、すべてのパラメーターが突き抜けているようなイメージです。それを自分と見比べたとき、確かに大谷選手に比べて「才能が少ない」といえます。
けれど、「才能がない」わけでは決してありません。ここで大切なのは、「自分は何が得意なのか」「まわりと比べて、ここは負けないという分野はないか」「今と違う地域、国に行けば、絶対に勝てる領域はないか」を探ることです。ビジネスの世界にも同じことがいえると思います。できる人と比べてしまうと、「才能がない」と考えてしまいがちですが、「才能がある」といえるビジネススキルが必ず誰にでもあるものです。
たとえば、事務の仕事をずっとしていてタイピングの速度がめちゃくちゃ速い。これだけで才能です。世の中には議事録やレポートを必要としている人が一定数います。つまり、タイピングが速いだけでも起業のチャンスはあるということです。
時間があるだけで立派な才能
福山:もっというと、「時間が余っていて、ひまである」だけで、立派な才能です。
堀田:と、いいますと?
福山:人手不足が課題の企業は山ほどあります。仕事内容はなんであれ、「一定の時間、働いてくれる人」は重宝されるのです。1日8時間労働で、月20日稼働できるとすれば、その人には1カ月に160時間の時間があることになります。「時間を売る」ことができる人は、それだけで仕事になるはずです。
堀田:時給のバイトみたいですね。