会社員はうんざりな「凡人」が起業する現実的方法 自分で「才能がない」と思っていてもチャンスあり

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福山:アルバイトや会社員の場合、時給単価や月収を決めるのは企業側です。一方で、「時間を売る起業」の場合は、自分で金額設定ができます。自分を1時間拘束するには、1万円が必要だと金額設定してもいいわけです。

堀田:なんとなく理解できました。「レンタル彼女」とか「レンタルなんもしない人」とか、そういうイメージですかね。この人たちは、自分の時間を売って、お金を稼いでいるわけですから。もちろんニーズがあることが前提ですが。

福山:そうですね。才能やスキルがないという人がいるけれど、「その人がいてくれる」だけで成り立つビジネスって、案外あるものなのですよ。だから、「才能がない」というのは起業ができない理由にはならないと思います。

会社員時代と同じ業種がよい?

堀田:実際、私はどんな業種なら起業できるのか……やはり今の仕事と同じ業種で独立起業するのがいいのでしょうか? 私の場合は出版になるわけですが。

福山:必ずしもそうではありません。今までのキャリアやスキルが、別の業種でも活かせるのではないかという視点も大切です。もし堀田さんが独立して、本の編集の仕事を続けるとしたら、出版社から仕事をもらう「請負仕事」になるでしょう。「請負仕事」をすれば、「社畜」から逃れられるかもしれませんが、より高い収益を目指すのには限界があります。継続的に仕事がもらえなければ、収入も安定しません。

悪くいえば「下請業者」なので、取引先と良好な関係をつくれなければ、精神的にもストレスを抱えがちです。せっかく「社畜」から脱出したのに、逆に心身を追い込まれているなんて話もよく聞きます。もちろん、「請負仕事」が性に合っている人もいますが。

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